End of the transmigration of souls■Chapter1■
師匠……か。
そんな言葉どこで覚えたんだろう。


……そう。これがあたしと師匠の出会いだった。



初めて小屋の外の世界を見て、初めて自分と博士以外の人間を見た。初めて博士以外の人間と話した。 それが師匠。



師匠は小屋の前までではなくてホントに小屋の側までしか送ってはくれなかった。
まるでイージス博士の小屋を避けるように…。
でも、 あたしがきちんと中に入るまで見届けていた。



小屋の扉を開ける前に一度師匠の方を振り返り、大きく手を振った。師匠もそれに答えてくれた。でもその時の表情はまるでさっきまでとは違う悩ましい表情だった。



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