恋と幽霊
男は何が起きたか全く分からない。



寝ぼけ眼で物が散乱した
自分の部屋を見渡す。



「大丈夫!けがはない?」



母親がそう言って部屋に飛び込んできた。



男は母親に散乱した本の中から
助け出してもらい


どこもけがをしていないことを
母親に告げた。



どうやら大きな地震があったみたいだ。




男はテレビをつける。




テレビでも地震速報をやっていた。
男の住む地域は震度4だったらしい。





やっぱり大きな地震だったんだ。
揺れが今までとは違ったもんなあ…


そう男が考えていると
洗面所のほうから母親の叫び声が聞こえる。



何かと思って行ってみると
我が家の温水湯沸かし器がバッタリと横たわっていた。



「ううう!絶対これは手抜き工事のせいよ!
震度4ぐらいで倒れるなんて!!


絶対訴えてやるうう!!」


カンカンになって怒る母親の後ろで
男はため息をついた。


これはしばらく冷たい水で
顔を洗わなきゃいけないなあ…
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