モノクロ
4:忍び寄る別れ
そばにいて
「おはよー……って真央、どうした?」
「おはよ……ふぅ」
教室に入るなり、崩れ落ちるように椅子に座った。
「遅刻ギリギリなんて珍しいじゃん?」
「ちょっと、ね」
「寝坊したの?」
「……まぁ、そんなとこ……」
それを最後に、私はそのまま机に顔を伏せた。
昨日、結局お風呂の中で長い時間を過ごした私達。
お風呂から出た後も……。
気が付いたら朝で、一度家に帰る圭吾を送り出した後、つい二度寝しちゃって……。
遅刻ギリギリで、慌てて学校に来たってわけ。
着替える時に気が付いたんだけど、胸の花がひとつ、増えてた。
──圭吾ってばいつの間に……。
「席着けー。HR始めるぞー」
落ち着く間もなく、圭吾が教室に入って来た。
「出席取るぞ。欠席は、……なしと」
……それって、出席取ってるって言えるのかな?
そんなことを思いながらぼんやり圭吾を眺めた。
私とは反対に、いつも通りしっかりしてるし。
同じくらい寝てないはずなのになんで……。
「高岡ー」
「……はいっ」
いきなり名前を呼ばれて、思わず背筋が伸びる。
「どうした? 寝不足か?」