モノクロ
別れの足音
圭吾の写真騒動から一カ月が過ぎ、みんなが忘れた頃。
『──組、高岡真央、至急職員室まで来るように。繰り返す──……』
「真央、何したのー?」
いきなりの呼び出し放送に、淳くんの隣で遥がクスクス笑ってる。
「テストの点が悪かった? 掃除サボったとか?」
色々言われるけど正直、職員室に呼び出される覚えなんてない。
「……わかん、ない」
だけど、妙な胸騒ぎがしていた。
「ま、行ってらっしゃーい」
軽快なトーンで遥に送り出されたけど、胸騒ぎは収まらなかった。
ここ一週間、圭吾からの連絡が減っていた。
いつ電話しても留守電だし、折り返しもない。
メールしてもたまに返事が返ってくるくらい。
学校で顔を合わせることはあっても、個人的な話は一切してないから、最近圭吾がどうしてるのかまったくわからなかった。
そのことと、この胸騒ぎが関係しているとも知らずに、
「失礼します……」
緊張してドアを開けると、職員室にいた先生全員の視線を一斉に浴びた。
な、何……!?