モノクロ
「繋がらないの……。いなくなっちゃったんだよ……」


離さないって言ったのに。


「嘘つき……」


一度溢れた涙は止まることを知らない。


声を上げることもなく、壊れたようにただ涙を流し続ける私を、琢磨はきつく抱き締めた。



「……っ」

欲しいのはこの腕じゃない。


「真央」

欲しいのはこの声じゃない。


「忘れろよ」


唇が強く押し当てられた。

欲しいのは……この唇じゃない……。


「俺がいるから」

強く押し当てられた唇にさらに涙が零れる。



琢磨とのキスは、涙の味がした。





「もう忘れろよ」

そのまま床に倒された。


「俺が傍にいるから」

琢磨の言葉に応えることも、抵抗することもしなかった。


唇を合わせながらブラウスのボタンが外されていく。


「真央。俺を見て」

その言葉に、宙を彷徨っていた視線を琢磨に向けた。


「……」

多分、生気のない目をしてたんだと思う。


琢磨は苦しそうに眉を寄せ、ボタンを外していた手が背中に回って、そのまま抱き起こされた。


「抵抗しろよ」

「……」


「ごめん。悪かった」

本当に涙腺が壊れてしまったかのように、いつまで経っても涙が止まらない。


回された手が、私の背中を優しく撫でる。

そんなことにも圭吾を思い出して苦しくなった。


「ごめん……ごめんっ……」

そればかり繰り返す私を、琢磨はずっと抱き締めてくれた。

< 164 / 174 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop