モノクロ

そう……なのかな。



「ねぇ。年上で好きになっちゃいけないかもな人で不倫じゃないって、どんな人?」

「ん……」


紗依子にそう言われて、思わず天井を見上げた。

学校の先生、なんて言えないし。

何て言えばいいんだろう……。



「彼女いる人?」

「いない、と思う」


そう言えば、先生って彼女いないのかな?

……モテそうなのに。



「紗依子さ」

「ん?」

「……彼氏、塾の先生だって言ってたじゃん?」


「何よ、急に……」

ちょっとだけ頬が赤くなった。


今までは私のことにビシッと答えてくれてたけど。

普段はクールな感じなのに彼氏の話になると、少しだけ顔を赤くするんだよね。


そんな所がかわいくて、遥と二人でよくからかったりするんだけど……。



「今日はマジ!」

「今日は、って何よ……」


あ……しまった。

ジロリ、と睨まれて思わず肩を竦める。


ゴホン、と誤魔化すように咳払いをしてから、

「どっちから告白したの?」

と聞いてみれば、

「……あっち」

と、やっぱり少し赤い顔で返ってきた。



「先に好きになったのは?」

「そんなのわかんないけど……。私だったかもしれない。だって、私は生徒だったわけだし?」



生徒……か。
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