モノクロ

幸せな時間



「ん……」



日の光が部屋に差し込んできて眩しい。


カーテン、閉めなかったっけ?


まだ完全に働かない頭でぼんやり思った。


鳥のさえずりが聞こえる。



ん……?



いつもとは何か違う感じがしてゴロン、と寝返りを打つと……。


「!?」

「おはよう」


すぐ隣で片肘をついて横になっている先生と目が合った。



私……そうだ……昨日……。



「何で驚いてんの?」

クスクスと肩を揺らして笑いながら、そっと私を抱き寄せた。


「良く眠れた?」

──コクン


「体、辛くない?」

──……コクン



「真央」

ビクン

名前で呼ばれると、どうも異常に反応してしまう。


「おはよう」


少し体を離して顔を覗き込まれながら改めて言われたから、

「おは、よう……」

そう答えれば、良く出来ましたといわんばかりにキスがひとつ、落とされた。





昨日、私、初めて──。
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