マイLOVEヒーロー

「ごめっ!!」


「てか、今話したくないから出てって。」


謝る祐吉君を黙らせて、ゆっくり扉を指差す





「でも…」


「祐吉。出てい・っ・て・ね」



顔は笑ってるのに目は笑ってない……

そんな千夏に逆らうことのできない祐吉君は、
しょんぼりして休憩室を出て行った



「ごめんね、花穂。あいつ無神経で…後でタップリ絞めとくから」

「ううん、平気!!祐吉君だって心配してくれたんだから!」


うん、それにあれ以上叱られたら可哀相だよぉお


気にしてない素振りで笑うと

千夏は苦笑いを浮かべた


「今年で瑛二が亡くなって4年だね…」


千夏の言葉にまた瑛二を思い出す


「うん…だね…」


「ねぇ花穂?私はさ、無理に恋しろとは言わないよ。言わないけど、、、、
もしさ、誰かを好きになったりしたら我慢しないでね。」


千夏…


「瑛二はさ、銀星はもちろんだけど、、、、
花穂にだって幸せになって欲しいって、きっと思ってるよ。」


千夏の言葉に耳を傾けながら
小さく頷いた


「ありがとう、、」


でもね千夏


きっとこの先瑛二と同じくらい好きな人なんて

ましてや越える人なんて絶対出て来ないと思うよ


私はもぉ誰も好きにならないって


瑛二のお墓に誓ったんだから


だから


誰も私の心に入って来ない


これからもそれは変わらないよ


そんなやり取りをしているうちに朝礼の時間になり


仕事が始まった


言うまでもなく祐吉君は
仕事の間中千夏様に無視されて

かなり落ち込んでいた




< 11 / 303 >

この作品をシェア

pagetop