マイLOVEヒーロー

やべぇ…
今から電車に乗って銀星の保育園まで約1時間


それじゃあ間に合わねぇよ


やっぱタクシーしかねぇかな…


「おい、桜汰」


考え込んでいる俺にマネージャーの哲也さんが話し掛けてきた


「どっか行くんだろ?車貸してやろうか?」


「マジですか!!」


車なら飛ばせば30分で着ける!


「あぁ、この後俺この近くに居る社長に呼ばれてるから
歩きでも平気だからな。帰りはどうせ社長がハイヤーで送ってくれんだろ。」


「助かります!!じゃあお疲れ様でした!」


急いで駐車場に向かう俺の背中に哲也さんが


「女か??」


って聞いてきた


一瞬だけ俺の心臓がドキッと跳ねた


だけど


「違います。友達です。」


って冷静な顔して答えて
また背を向けて駐車場までダッシュした


きっと哲也さんにはバレてるな


でも今は花穂ちゃんと大切な時


邪魔は誰にもされたくない


売出し中の俺だからこそ隠さなくちゃいけない


今の俺に恋は不要


社長の口癖だもんな



それでも花穂ちゃんに


銀星に



逢いたいんだ



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