マイLOVEヒーロー

「花穂ちゃんお待たせ!チケット3枚買ってきた。」


「ありがとう…」


「よし、じゃあ次は食べ物!俺はポテトな♪銀星は…」


−プッ……


「何?何で笑ってるの?」


思わず笑ってしまった私を不思議そうに見下ろす


「だって…嫌がってるわりに楽しそうだから♪」


だってそぉでしょ??
さっきまであんなにブツブツ言ってたのに

銀星とチケット買う桜汰君は凄く笑顔で
顔を銀星にくっつけては内緒話したりして楽しそうなんだもん


「いいじゃん。折角見るなら楽しんだ方が!!それに銀星可愛いし…さ。それに、さ…」



「それに??」


「好きな子と居たらテンション上がるでしょ。」


聞き返す私の耳元で小さい囁きを落とした


吐息が耳をかすめて
私の体温は一気に上昇して
顔はリンゴみたいに真っ赤になった


「ば、、バカ…」


赤くなった顔を見られたくなくて
下に視線を落とした



そうだ桜汰君は私が好きなんだ



…ドキドキ……


何度も鳴る鼓動はその後の映画の間もずっと鳴り響いていた




桜汰君…


私ねやっぱり桜汰君が好きみたい

気付くの遅いよね


ううん、本当は気づいてたんだ


だけど瑛二の事や子供の事

なにより恋をするのが怖かった


男の人を好きになっちゃいけないって思った



傷つきたくないって理性が邪魔してた


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