俺様彼氏と従順彼氏


「みつお、みつお!」

「んー…なんだよ、人が折角気持ちよく寝てる所だってんのに」


…毎日9時に寝る人にそんな事言われたくない。

「着いたみたいだよ?さっきからずっと、車(リムジン)止まってるみたいだし…」

「なに?予定より遅くねぇか?」


あんた寝てたから、時間の感覚なんてねぇだろうに…よくまた…。


「…やっぱりな…予定時刻より2分遅れてやがる」

「2分て、遅刻なの!?」

「当たり前だろ?何言ってやがる」


あんたが何言ってやがる!たかが2分遅れただけじゃないかっ!!
あーあ、ほら運転士さん顔が引き攣っちゃったよ…こりゃ、帰りは違う人になってんな…

じゃなくて、なんで口開けて爆睡していたお前に2分の差が分かるんだよ!?
わ、まじスゲー、尊敬!
「妃芽」

って、そんな訳ねぇだろうがよ!!今すぐ……

「妃芽!」

「は、はひ!何、みつお?どうかしたの?」

「お前また一人で夢の中にいってたのか?ったく、とんだ淫乱な猫ちゃんだぜ…心配しなくても、夜はたっぷり可愛いがってやるよ…」

「………」

あたしの肩に腕を回しニタッと笑う、みつお。

ごめん、あんたの想像力にあたし今、笑わされそうになったわ…


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