ねこのはなし
僕たち



 それから毎日毎日
 はなれることなく
 僕たちは一緒にすごした。
 だから、とっても
 なかよしになったんだ


 そしてある日
 僕はさきちゃんの手首に
 無数の傷があることに
 気が付いた

 でっかい猫でも
 かってたのかな
 ばりかかれちゃったのかな?
 いたそうだな…

 僕は傷だらけの
 さきちゃんの手首を
 なめてあげた

 そしたら
 僕の頭に雨がふってきて
 びっくりして
 上を見上げると
 
 さきちゃんが泣いていた。

 
 あれ?
 いたかった?
 ごめんね
 泣かせる気なんて
 なかったんだ。

 って必死にないたけど
 人間には伝わらない
 僕の猫語…

 どうしよぉ


 そしたらさきちゃんは

 「ありがと…
 ありがとね…。」

 ってふるえた声でいってた。

 もちろん
 僕にはその言葉の意味は
 わからない…

 でも笑顔で言ってくれたから
 許してくれたのかな?

 
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