ショコラ
7 さよならの行方
 2月に入った良く晴れた日。
私は時間をかけてきっちりメイクをした。

いつもはお化粧はファンデーションくらいしかしないから、
ちょっと変な感じもしたけど、眉をきっちり書いたら少し強くなれるような気がした。


午後3時。
いつも徹が『ショコラ』にいる時間。
私は『ショコラ』に向かって歩いていた。

徹がそこにいるかどうかも分からないし、
もしかしたら新しい彼女といるかも知れない。

だけど、今更電話をする勇気はもてなくて、そこにいるのを願いながら歩いた。

 『ショコラ』が見えてくると、私の心臓も早くなる。
時折り足がすくんだように前に進めなくなる。

だけど、必死に足を前にだした。
ここで頑張らなきゃ、きちんと終われないような気がする。
そうしなければ前にはきっと進めない。
それを教えてくれたのは、皮肉なもんだけど他ならぬ徹自身だ。
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