現実RPG
「なんでだよ?」


「絶対に、死ぬ。自殺行為だ」


「でもそれ以外に、方法あんのかよ?」


「いや……」


「だったら、やるしかねぇ」


「たとえ成功したとしても、俺一人じゃアークデーモンは……」


「ここまで来て、退けるかよ!」


突然怒鳴り声を上げる竜太。


「拓馬、弱音ばっか吐くんじゃねぇ。どうせ俺たち二人が、アークデーモンを倒さねぇといけねぇんだよ。他に、仲間はいねぇ。この数を相手にする方法は、もうそれしかねぇ」


言葉が見つからない拓馬。確かに、それしかない……


「俺は、正門から派手に暴れる。その隙にお前は、裏門から入ってアークデーモンを探して倒してくれ」


「……」


「いいな?」


「……」


「いいな、拓馬!」


「……わかったよ」
< 169 / 202 >

この作品をシェア

pagetop