現実RPG
「こんな重いもん着けてたら、それこそやられちまうよ……」


そう言いつつも、無いよりはましかと鎧を着てみる拓馬。


その瞬間、鎧は驚く程軽くなった。


「あれ?なんだよ、なんだよ!軽いじゃん!これなら、戦える!」


嬉しくなった拓馬は、剣も手に取って鞘から抜いてみた。軽い。


「軽い……軽い!やった!」


やる気が出た拓馬は、再び町の出口を目指した。


そのとき、一つの民家が目に入った。


「うん?なんだ、あれ?」


『光魔法』と書いた看板が掲げられている。


気になった拓馬は、その民家に入ってみた。


そこには、一人のお婆さんが座っていた。


「いらっしゃい」


「婆さん、なんだよ、光魔法って?」


「いらっしゃい」


「あ、そっか、何言っても同じことしか返ってこなかったな……」


「いらっしゃい」


「光魔法、くれるのか?」


「五千円ね」
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