現実RPG
「えーと、武器屋、武器屋……」


RPGなら、次の町にはまた新しい武器が売っているはずだ。


そう思った拓馬は、武器屋を探した。


「おっ、あった、あった」


最初の町と同様、店頭には武器、防具が並んでいた。


中に入ると、女の店主がいた。


「いらっしゃい。ここでは、鉄の剣、鉄の鎧を売ってるよ」


「なんだよ、一緒か……」


残念そうに、拓馬は店を出た。そのとき斜向かいの店に、目が留まった。


「あ……そうか、その手もあったよな!」


その店は、『道具屋』と書いている。


拓馬は中に入ると、店主が声を掛けてきた。


「いらっしゃい。ここには薬草が売ってるよ」


「くれ」


「一個、1000円ね」


拓馬はポケットをまさぐり、全財産を出した。2000円しかない。


「じゃあ……二個だ」


「まいど」


薬草をポケットにしまうと、拓馬は道具屋を後にした。


どうやって使えばいいのかわからなかったが、聞いても返答はないだろう。


ふと町の外を見た拓馬は、これからについて考えた。
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