現実RPG
こうしている間にも、決まってしまうかもしれない。


考えている暇は無いと思いつつも、再び電話を掛けることができない。


しかし、どうしても金が欲しい。これだけの金があれば、来年から始まる彼女との生活にも当分困らない。


しかし……。


焦る拓馬。


そのとき、携帯電話が鳴った。さっきの、ゲーム会社からだ。


「……もしもし?」


何の用だろう?そう思い、ゆっくりと受話器を耳にあてる拓馬。


「もしもし、たった今、決まってしまいました。誠に残念です」


「え!」


その言葉を聞き、慌てる拓馬。


「ちょっと待ってくださいよ……俺、やりますよ!ゲームをクリアするだけなんですよね?」


「はい、そうです。やりますか、拓馬様」


「やります」


そう言った瞬間、拓馬に疑問がいくつも過ぎり、鳥肌が全身を走る。


「……あれ?ちょっと待ってください。なんで、俺の番号知ってるんですか?教えてないですが……だいたい、今、俺の名前……」


声が震える拓馬。


「やるとおっしゃいましたね。いってらっしゃいませ、光魔法の、拓馬」


拓馬の言葉を耳にも留めず、受話器越しに聞こえる不気味な声。


「ちょっと待ってくれ!詳しく説明してくれ!光魔法?なん……」


言い切る前に、拓馬の目の前は真っ白になった。
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