現実RPG
「何やってんだ、俺!恐怖は、自分を殺す事になるんだぞ……」


そう自分に言い聞かせる。そのとき、遠くの方で音がした。


ガシャ、ガシャ、ガシャ……


ガイコツが走っている。おそらく今の戦闘の音に気づき、拓馬を探しているのだ。


その音に恐怖し、足が震えて止まらない。


「くそ!怖がるな!」


太ももを叩きながら、自分に向かって小声で叫ぶ拓馬。


しかしその音に、心臓はどんどん速くなり、手足が痙攣しているように震える。


「くそ……」


再び、拓馬の瞳には涙が溢れた。


目をギュッと瞑ると再び、早足で歩き出す拓馬。


グッと歯をくいしばる。


「弱虫……弱虫……」


と、自分で自分を卑下しながら歩く拓馬。


しばらくすると道を抜け、大広間に出た。
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