ソフトキャンディ



ピーッ




「あっ!!練習終わったみたいだよ!!」



部員がバラバラとバラけている中、康典は真っ直ぐ私たちの方に歩いてきた。





「康…」
「康典!!」



えっ?



西川さんの方を向くと、そこに彼女はもういなかった。




西川さんは康典の方に駆け出していた。




そして…



「お疲れ様♪」



そう言って康典にタオルを渡す姿は、まるで彼女のようだった…―――








「森野さん!!もうわかってると思うけど、彼氏の康典♪」


嬉しそうに私に話す西川さん



康典は私と目も合わそうとしない。




「康典…本当なの…?」



私が尋ねても康典は答えてくれない。





「そっか…。康典も教えてくれればよかったのに…
おめでとう!!」


この時の私にできた精一杯の笑顔で私は言った。




< 26 / 34 >

この作品をシェア

pagetop