カラカラライフリズム

「二分と十五秒の遅刻だな、一樹」

やや突きかかるような言い方だった。

「……おはようございます進藤さん。
でも今日は遅刻してませんよ俺」

「何事も五分前行動厳守だ。
まったく…何度言ったら分かるんだ」

「さあ?」

一樹が無気力に肩をすくめると、進藤は諦め半分で、

「まあいい。行け」

「……はい」

一樹は短く返事をして、
促されるまま五〇二号室のドアノブを捻った。
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