カラカラライフリズム



「そうだよ」


「執行所の、どこ?」


「何だよ、君まで……僕を疑っているのかい?」


「別にー?でも、何もやましい事が無ければ、答えられんじゃねーの?」


「まあね。ああ、ごめん勘違いしてたよ。

……その時は確か、家にいたんだ」


「家?」


「そう。やっと取れた休暇だったんだ」

「よりによって、視察の日に?

上にいる人間に、自分を売り込むチャンスでもあるのに?」
 

光が皮肉っぽく訊くと、村田は力無く笑った。


「ふふ……僕は、そういうものに興味は無いからね」



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