カラカラライフリズム




秀が、執行を終えて備え付けのシャワーを浴びている頃、

「……憂鬱だ」
 
一樹はシャワー室のシートに寝転び、

売店で買った週刊誌に呟いた。
 
シャワーの水音が、少し離れた場所から耳に入る。

ここのシャワー室は仕切りがカーテンになっているので、

湯気は一樹の方まで仄かに漂った。

これが、目的だ。
 

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