カラカラライフリズム

「あら、喧嘩ですか?」

「別に…」

一樹がむすっと答える。


幸枝が、ガラスの器に取り分けたオレンジのシャーベットを、
それぞれの前にコトッと置いた。
続けてアイススプーンも配る。

幸枝が座ったのを見計らって、
二人がほぼ同時にシャーベットを掬って口に入れた。
ひんやりとした爽やかな甘さが、ぱぁっと口内に広がる。


「…既製品とは大違いだな。
やっぱ手作りに敵うもんなんかねぇんだな、
なあ一樹!」
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