カラカラライフリズム
本当は捨てたかったが、
誰かが不用意に拾うと思うと、それも怖かった。
今、ナイフは布で包んでベッドの下にある。
自分さえ耐えれば、終わる話だと思っていた。
「……教授、やっぱり俺達の『これ』は、
記憶障害みたいなものなんですか?」
理人が、尋ねた。
彼等は、治療に関わるから、
と詳しい事を教えて貰えずにいた。
それどころか、満足に自分達で調べる事も許されない。
そんな事、あっていいのだろうか。