カラカラライフリズム



一気にそこまで言ってから、修はちらりと一樹を見やった。
 
この日は、吉野がケーキを焼くと言ったので、

二人は厨房の隅にいた。

丁度仕込みの時間から外れていたので、

作業をしていたのは吉野だけだった。
 
一樹は例によって暖かい場所を探していたのだが、

途中で修に誘われてここに来た。

厨房は、色々な食べ物の匂いが混ざって気持ち悪かった。

それに、どこもかしこも銀色で硬質だ。

だが、暖かい場所だった。

真っ白で薄暗い所内とは、違う世界だった。



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