カラカラライフリズム

悪の研究員


 
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無精して、ローラーの付いた椅子に座ったまま、

散らかった室内を器用にがらがらと移動する白衣の男は、

進藤から受け取った紙の束に目を落として、「あー、めんど……」と声を漏らした。

「私の仕事増やすなよ」

「ふん、お互い様だろう」

「ていうか、これ……宮本ってガキさあ、寮に戻ってきたんだな。

確か、『CPG一人暮らし』の実験してたよな、こいつ」
 
男は、調書を指でぱちんと弾いた。


「『実験』か……そうだな。こいつならある程度平気だと踏んで、許可した」

「そん代わし、なーんも、得らんなかったけどな。

こいつ、信じられないくらい何もしなかったし。

仕事に連れ出される以外、寝るか、時々シャワー浴びるか、ホントにそんだけでさ。

ひっでーサンプルもあったもんだよ。

良い事も悪い事も、何もしねえでさ。

……まあ、結局は失敗だよねぇ、この実験。

うん、まあ『あちらさん』が喰いついてきたって事だけ、収穫なのかな」




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