カラカラライフリズム
 


急に、玉城は決まりが悪そうに言った。

「はい、真剣な話に戻るよ。

あの時、光が持ち帰った、少年のものと思われる『金髪』と、『指紋』なんだけど……」
 
玉城は、書類やファイルが山と積み重なって埃を被っている机をがさがさと漁った。

「あったあった、これこれ」
 
彼が無造作に探り出したのは、ビニールに入った金髪のサンプルだった。

……こんな場所に保管しやがって、こいつは。

「あのさあ、残念ながらこれ、カツラだったよ」

「何だと……」

「だから、カツラ。

もっと言おうか? アクリル系の合成繊維。

残念ながら人毛じゃなかったんだよねえ。

ていうか、気付こうよ光ちゃん、って話だけど」


玉城は「見た感じで、普通このくらい分かるよねえ?」と溜め息を吐いた。


「……何か、自信満々に『証拠掴んだぜ』みたいな事、光に言われたけどさあ、

ぱっと見で何か変だな、とは思ったけどさあ、

真赤な偽物もはなはだしいんだ、これが。

……ま、要するに相手は変装してたって事だあね。

変装っていうか、……『女装』って方が正しいのかな?」




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