君のキオク、僕のキオク
琉矢とは友達。

こいつはモテる。背はうちと同じくらい。１７０ｃｍあるかないか。

目は細く、唇は薄くて真っ赤。体型もめっちゃ細い。運動神経はいいけど色白。元サッカー部。

うちの友達も２人くらい好きって言ってる子がいた。

ある子が琉矢に告白するのを手伝ったこともある。フラれてたけどね。

うちは、ただの友達。てか、変な仲。

小学校の時は喧嘩相手。今は友達。


今年の夏、と言ってもつい先月だけど、一緒にお祭りに行った。

隣町の神社のお祭りだが、なぜ一緒に行くことになったのかわからない。

なんとなく行って、帰ってきた。それだけ。


お祭りは楽しかった。

甘いものが大好きなあいつは、りんご飴を食べてた。

「りんご飴、食べたこと無いの？」

「無いよ」

ちょっと端っこかじる？とりんご飴を差し出したあいつに心底驚いた。

何者！？

ちゃっかり、端っこの端っこをちょっとかじった。



甘っ・・・・と思った。

そんだけ。
< 16 / 45 >
表紙・目次

この作品をシェア

pagetop