悪魔と時間
第5章~悪魔はいとこ~
トン、トン、トン


心配はよそに、ドアがたたかれる。


ためらっていると、悪魔はドアノブに手をかけ私の静止を無視してドアを開く。


「あれ、圭にい。もう、着いたんだ」


そう言うとなんのためらいもなく正樹は悪魔に抱きつく。


「正樹、ちょっと見ないうちに大きくなったな」


悪魔は私と同じように正樹の頭をなでる。


「僕だって、もう来年は中学生だよ」


正樹は悪魔の手を振りほどきながら言った。


「圭兄、僕の部屋に来て、こないだ買って貰ったゲームしよ」


悪魔は言われるがままに部屋を後にする。
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