サルビア
━AM2:30━


普段より早く、お店が終わった。

帰る仕度をして、すぐ近くの、無料案内所へ向かう。


無料案内所とは、その名のとおり、キャバクラ、ヘルスやサロンなど様々なお店の案内を無料でするところ。

案内所内の広告スペースに載せるお金をお店側から貰い、その分お客さんを紹介するという仕組みになっている。


恐る恐る、中をのぞくと、「エリさん!」と、男の声がした。

えっ?あたしを見て言ってる?


「どうしたんすか?パネルの出来見に来たんすか?なかなか評判いいっすよっ!」


その男は、明らかにあたしを見て、そう言っている。


困った顔をしているあたしに、別の男が言った。


「その子エリちゃん違うから!」

「えっ?」


最初の男が、パネルとあたしの顔を、交互に見る。

その視線の先に、目をやったあたしは、言葉を失った。


まだまだ素人のあたしでも、名前くらいは聞いた事のある、大型店の広告スペースに、1番大きく載っている、その女の子。


━エリ━


挑発的なポーズで、髪が濡れているのか、やたら乱れた感じが、女のあたしから見ても、ゾクッとした。






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