危険中毒
ガチャッという、音が響き、
開錠した扉が開く。


チェーンを解かず、
隙間から、外を覗き、
ジニーの姿を探した。


「モニカ?!」

ジニーの狼狽した表情。

「おまえ・・・
どうしたんだ?!」

開口横の壁面に立ち、
腰の銃に手を添えていた。

私になにかあったと
思ったんだろう。

そんな、ジニーの顔を
見た途端
涙が再び零れた。

「モニカ?!」

とりあえず、鍵を
開けるように言われ、
従う。


「で・・・。」

扉を閉めたジニーが、
真っ赤になって
口元を手で覆っていた。

言葉を探している様だった。

が、

「・・・何で・・・」

彼の口をついた、
シドロモドロな言葉に、
再び、ジニーを見上げる。

「どうして、そんな恰好
してるんだ?」

彼は、私の濡れた毛先に
指を絡め遊び、問う。


そうだ・・・


血が・・・


「血が・・・とまんなくて。」

「血・・・?」

彼が問い返し、うなづいた。


再び、涙が出て来る。

「でも、どこからなのか
わかんない。」


そう言った私を、
ジニーは、しばらく
見つめていた。



 
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