危険中毒
煙が立ち上り
あたりを霞が覆う。


突破できたのか・・・?


俺達は、各々の位置から
ライトをそこへ向け、
霞が消えるのを待っていた。

やがて、視界が
クリアになる。

眼下で、モニカの
嘔吐が聞こえた。



視線の先にあったものは


割れたアクリルの水槽と
こぼれる水溶液の中に
浮かぶ物体
そこから這いでる
コードと・・・


「火薬。
増やしたから。
くやしいでしょ。」

怪しくわらう
モニカと・・・。



「また、あたしに
ジニーとられて

くやしいでしょ?」


モニカは、そういって、
酸化剤を物体に注ぎ、
同品をしこんだ弾丸を
遠慮なくぶちこんだ。




 
壊れてんじゃねーのか?


モニカが

遠くない未来に、
壊れるんじゃ
ないかと

あらぬ不安を抱いた。



それは


半分以上、俺の責任だよな。



激しく、弾を撃ちこみ
原形がないほどにしながら
モニカは手を休める事が
なかった。


全弾撃ち込み、
要約、気が済んだ風に、
踵を返した。



 
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