危険中毒
『リディア、動けんのか?』

もう一方の無線からも
ひっきりなしに
安否を問う声がする。

『大丈夫だ。
旦那がダメでも、
俺が助けてやる。
だから・・・せめて
なんか、音、立てろや?』

キムの、必死の声色が
繰り返されている。


『おまえまで、
亡くしたくないんだよ。
だから、おまえに 
色々叩きこんできたじゃ
ねーか?!』




キムの身を削り
絞り出すような声に
臓物を握り潰されるような
圧迫感を感じる。


『あ・・ッ痛ぇ・・
どこ・・ここ?』

無線から、女の声がした。

リディアの意識が
戻ったらしい。

無線から聞こえていた
キムの声がやんだ。


居場所を特定するんだろう。


先ずは、安堵の息を漏らした。
 

 
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