危険中毒
調度、身体一つ分ほどの
開口から天井部に立ち
並び立つ男の軽装に驚く。

身につけているモノも
手にした工具も
必要最低限だ。

工具にいたっては
あまりに軽装備すぎる。

「これで・・・
開けたのか?!」

思わず聞いた俺に
男は、訳もない風に
ああ、と、うなづいた。

やはり、これほどの巨塔が
軽量な金属を使わずに
建てられるはずが
なかったのだろう。

ならば、
あの装備で、事足りる。


ロープで引き上げられた先に
ニンマリ笑う、ミオがいた。


「ボッコボコだな。マックス。

まあ、単身用のゴンドラに
つっこまれた事を感謝すんだな。

最近作ったらしくてね。
竣工時の図面には無かった。

定期点検だけ受けて
使用してない所を見ると
実用品ではなく
緊急用のモンらしいな。」

ヤツはそういって
俺の怪我の状況を 
確認しはじめた。




ずっと

ひっかかってる事がある。



何で、今


コイツらは
動きだしたんだろう?


単に、俺とモニカが
危機に陥ったせいか? 



俺達の法則には

死に逝くモノを
救出するなんて
選択肢はない。

じゃあ、なんで?

 



 

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