危険中毒

LEVEL11

全裸で、通路に倒れたまま
動かぬモニカを見つけるのに
さほど、時間は
かからなかった。



自分の居場所を、
把握したあとも、
俺には、彼女の傍へ
走る気力も体力も
あったもんじゃなかった。


付き合ってやる。
そういって、付いて来たのは
ミオが、指示したのか
俺を救出したオトコだった。


非常階段は、呆れた事に、
こんな雲海のど真ん中
建築物の外側に
螺旋上に溶接されていた。

周りに、同様の設備が、
あるのかどうかは不明だ。


水蒸気による腐食で
今にも崩れそうなそこを
こんな血みどろな出で立ちで
踏み締めていくなんて。


想像もしたことがない。


高度のせいか

出血のせいか


何度も膝が崩れ
鉄製の階段に
倒れこむ。



 




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