危険中毒


 

ああ・・・
そうだ・・・


今のうちに・・・


釘をさす必要がある・・・・



「モニカ・・・」

ーーーは、居るか?

何とか声を振り絞る。


ちゃんと届いているだろうか?
俺の声はーーーー

まだ、意識があるのかと
苦笑混じりの会話が続く。


「どうする、キム?」

腹部に伝わる振動ーーー
問うたのは、俺を担ぐ
男の様だった。


「ダメだ。置いて行く。
両目の潰れた兵隊なんざ
使い道がねぇ・・・

満足にシャバで暮らせねぇ奴に
どうやって、戦争屋なんざ
務まるんだ?

連れてったってオトコの間を
回されるだけだ。

・・・ここでも
一緒かもしれんがな。
まだ、人権が守られる可能性が
なきにしもあらず、だ。」


ダメだーーーー

そんな可能性なんて
もう、微塵もないんだ。

この国にはーーーー


この国の政府は
トップを狩ったところで
何も変わらない。


こんなところに置いていけば
総ての大罪を被された上
抹殺されるのが関の山だ。
それに、それだけじゃあ
きっと済まない。


そして・・・怪我だって
今なら、治せるかもしれない。



俺は・・・


諦めない・・・ぞ・・・







 
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