麗しのワイルド ビースト
ビクッとした大学生は小さな声で『すいませんでした…』と言って残りのソバを食べ始めた。



絶対勘違いしてるだろうから言っておこう…。



「おい、客。ちなみに林檎は俺の女だ」

「へっ!?」

「店長の女じゃねぇからな。口説くなら俺も刺すぞコラ」

「も、もう口説かないっ!!」



はい、解決。



きっとヤツはもう店に来ないだろう。



そしてバイトもやっと終わったら林檎をバイクに乗せてアパートに向かう。



俺、ネギ臭い…。



「寒いよ虎く~ん…」

「ほれ、来い」

「ん~…」



なかなか着かないストーブのおかげで林檎を抱きしめられた。



着てる上着でギュッと包んでやるとペタッと林檎が密着。



寒すぎて顔がリンゴ色になってる…。



「虎君はいつも暖かいね」

「林檎だって暖かいし」

「ずっとくっついてたい…」



ぬぁぁぁぁ~…。



カワイイこと言ってっとマジで食うぞボケ!!



寒いから我慢してんのに…。



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