麗しのワイルド ビースト
虎君に恥はかかせたくないから一生懸命頑張ってるのに…。



少しくらい褒めて?



一緒に寝たい…。



今すぐキスしたい…。



隣で眠る虎君の手をギュッと握るとバッと振り払われた…。



なんで?



もう嫌いなの?



「着きましたよ、専務」

「ん?あぁ…」



帰って来てよ…。



寂しくて泣いちゃいそうだよ…。



ふたりきりのエレベーターの中は少し気まずい…。



「虎く…」

「やめろ。呼ぶな…」

「なんで!?あたし限界だよ…」

「俺だって我慢してんだ。帰りてぇ…」



本当にそう思ってる?



あたしだけが虎君を好きなんじゃないの?



寂しい…。



その後も仕事だけをしてあたしの帰る時間。



もうひとりの秘書は先に帰った。



虎君に声かけよ…。



「専務、お先に失礼します」

「ちょっと休憩。コーヒー」

「はい…」



帰って泣くんだから。



寂しすぎて泣いてやるんだもん…。



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