この空の下
「たった3球だぞ!?
3球投げただけで
ぶっ倒れちまうような男、
誰が好きになるんだよ!」
「あ、あたしはっ!
どんな愁だって
好きだよ!!」
「口ではそうやって
言うけどな、
オレは将来も全く
希望がねえんだよ。
…本当は野球で有名な
大学に推薦もらって
野球部で活躍して
プロになるつもりだった。
けど、こんなすぐ
倒れちまう病弱な
ピッチャー…
誰が欲しがるんだよ…!!
この体じゃ、
大学に行くことすら
出来ねえかも
しんねえんだよ!」
その時愁の大粒の涙が
あたしの頬に
こぼれ落ちた。
初めて見る愁の
ものすごく
悔しそうな様子に、
あたしは何も言葉を
かけられなかった。
そんなことないよ、
あたしはそばにいるよ、
って言いたかったのに…。