この空の下
もしも大和君が
アウトになったら
延長戦になってしまう。
みんなが固唾をのんで
見守るなかで
あたしはどうしても
うわのそらだった。
崎美君の呆れた顔が、
さっきから頭に
焼き付いて離れない…。
思わず俯いて
ため息をついてしまう。
その時視線を感じて
ふと顔を上げると
崎美君がこちらを
見ていた。
でもあたしと
目が合った途端
ふいっと顔を背ける。
そんなことにも
胸の痛みを
感じていると、
カーン!
グランドに大きな
金属音が響いた…――