彼方より蒼く 【BL】


「一弥、俺が卒業するのは寂しいか?」


一弥は答えなかった。


一弥が強がりで意地っ張りだということは充分に把握していた。
照れ屋で不器用であり、自分の気持ちが素直に伝えられないという性格も、もちろんわかっている。
あまり表に自分の感情を出さないタイプなのだ。

出会った当初は一弥が何を考えているのか全く読めなくて、近づくのには苦労した。
けれど少しずつ親しくなっていくうちになんとなく一弥の性格や心の内が掴めるようになった。


本当は誰よりも熱い心を持っていて、些細なことでも感動してしまう優しいやつだとか。
言いたいことが素直に言えない不器用なやつだとか・・・。



きっと一弥は、自分が学校を卒業して
二人で会える時間が少なくなるのが寂しいのだ。

だが不器用な性格故、言葉に出すことができないのだ。



恋人の心情を読み取った気になって、圭太は少しにんまりとした。



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