あなたが私にできる事

花火大会

何度カレンダーを見ても、何度携帯の待ち受けを見ても、それは８月だった。



「連絡するって言ったくせに…。」




ベットの上に携帯を投げつける。




山口くんに会えないまま夏休みが過ぎていく。




いつ誘いが来てもいいように携帯を肌身離さず持って家にいた。




気づけば夏休みの宿題はほとんど終わってしまっている。




これ以上、何をすればいいのだろう。



することはないが何かしていないと気が紛れない。




自分から連絡すればいいのだが、その勇気が出なかった。




それにそんなの私のキャラではない。


不自然なことをして山口くんに気持ちを悟られては困る。




美紀でも誘ってみよう。


もしかしたらそこで山口くんの話題が出るかもしれない。



下心丸出しでベットの上の携帯を取ろうと手を伸ばす。




その時、メールの着信音が鳴り響いた。