あなたが私にできる事



恭ちゃんは人気のない教室に入った。



「真理子ちゃんに何かされた?」



入るや否や勢いよく尋ねられる。



「っていうか何なの?阿部さんって。」




そばにあった椅子に座り説明を促す。




「ヤマの元カノ。」



おそらく私が和希と別れた日に別れたというあの彼女だろう。



「真理子ちゃんって気性荒くてさ。なんでヤマがあの子とつき合ってたのか未だにわかんないんだけどね。確か…1年の時からだから結構長く続いてたんだよ。あの二人。
だけど突然ヤマが一方的に別れたいって言い出したらしくて。真理子ちゃんも理由がわからないって大激怒。」




「そのとばっちりを恭ちゃんが受けたってこと?」




彼は情けない顔をして首を縦に振る。



「理由聞いて欲しいって何度も言われた。だけどヤマが言いたくないのに無理やり聞くなんて俺は嫌だし。」




ぶつぶつ言いながらお弁当を広げていく。




「で?エリザベス何かされたの?」



「廊下でぶつかった。たぶんわざと。あと嫌味言われたよ。」



恭ちゃんは大きなため息をつきながらお茶を飲んだ。



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