神楽幻想奇話〜鵺の巻〜
「祭り?祇園祭の事か?ここから行くには車使わないと遠いぞ?」


透は他の面子の意見を聞こうと、周りを見渡した。


(月読、忍…あ〜やる気満々だ…。沙綺は普通だな。)


人混みが苦手な透は、沙綺に頼ってみることにした。


「沙綺はどうだ?帰ってビール飲みたいんじゃないのか?」


透の質問を受けた沙綺は、同じく周りを見渡した後、冷や汗をかきながら固い笑顔で言った。


「俺か?…あ〜、いや、どっちでもいいぜ?月読ちゃんが行きたいなら行ってもいいし。」


背後で睨みつける月読と忍のプレッシャーを受けて、沙綺は歯切れの悪い答えを返した。


「そっか…じゃあ行くか…。」


透は渋々頷いた。
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