神楽幻想奇話〜鵺の巻〜
鵺は主の前に片膝をつくと、胸に手を当てて一礼した。


「申し訳有りません。白蓮と上級符術士に手傷を負わされまして、傷を癒すために身を潜めておりました。」


「ほぅ、この時代にもお前に傷を負わせるだけの術者が居るとはな…。
神楽玄奘を始め、神楽一族が居なくなった今、退魔士達には戦力は無いと思ったがな。」


あくまで冷静なままな声で、主は簡単な感想を述べた。


「…それは私の失態です。次は全力を持って息の根を止めて見せます…。」


鵺は奥歯をギリッと噛みしめて決意を言葉にした。
主はそんな鵺の様子を見通したように、冷笑を浮かべると、首から下げていた首飾りを鵺に向かって放り投げた。


放物線を描きながら鵺の手元に届いたのは、至ってシンプルな物だった。
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