神楽幻想奇話〜鵺の巻〜
一方その頃、透達は善次郎が戻るのを首を長くして待っていた。

結界を張り終えて帰ってきた沙綺は、誰よりもソワソワと落ち着かない様子で、誰彼構わず話しかけては落ち着けと怒られていた。


「だってよー!ようやく鵺の居場所が掴めるかもしれないんだぜ!?いつ鵺が襲ってくるかビクビクしなくて済むなんて万々歳じゃないか!」


誰も自分と同じ考えの者が居ないことが沙綺には信じられなかった。


そんな沙綺にため息を一つついて、忍が冷静にツッコんだ。


「あーもー!うっさいわねぇ!少しはアイツを見習って静かに出来ないの?」


忍がビシッと指を差した先には、ノンキに縁側で将棋を指している透と幹矢が居た。

先はその姿を見た瞬間、ガックリと肩を落としてテンションが下がるのを感じた。
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