神楽幻想奇話〜鵺の巻〜
そして刹那は一筋の涙を流すと、最後の瞬間だけ抱きしめられて姿を消した…。


鵺は足下から灰になって燃え尽きながらも、ニヤケた顔を崩さずに最後の瞬間まで笑い続けていた…。


「ハァーッハッハッハッハッハッハッハッハ……。」



そして、立ち昇る上昇気流によって舞い上がっていく鵺達の灰は、夜空の闇へと紛れて消えていった。


…彼等の最後の瞬間を見届けた沙綺は、地面に膝をついて夜空を見上げた。


そんな一同に向かって、今まで黙って鵺の最後を見ていた透が声をかけた。


「…ふん、なかなかやるじゃねえか人間ども。
次に俺様が目覚めるまでに神楽のヘタレ坊主にもそれだけの根性叩き込んどけや」

透はそう言って高らかに笑うと、糸の切れた操り人形のようにその場に倒れてしまった。


「不動さん…俺達勝てたのか…?」


半ば放心状態の沙綺がボソリと呟いた。


「ああ…少なくとも今夜は…ね。」


幹矢も無表情なまま沙綺に返した。
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