この空の彼方
なら、と爪鷹が立ち止まる。
「魔物で軍隊を…。」
「黙れ。」
芦多は言葉を遮った。
芦多の低い声に、爪鷹が竦む。
「変なことを言うな。
それじゃ、海澱と同じだ。」
「…そうだな、悪かった。」
灯世はそういった手は使わないと言った。
彼女達一族には守ってきた信念があるはずだ。
卑怯な手を使ってくれと頼むことほど、失礼なことはない。
悪かった、と爪鷹は気まずそうに謝って、歩き出す。
芦多も並んだ。
「俺が灯世を守るよ、芦多の代わりに。」
「……ありがとう。」
「何のなんの。
芦多クンがいろんな姫を見てきた中で見つけた、唯一愛した女性だもんね?」
からかうな、と睨む。
爪鷹は優しく笑った。
そうしてそこで微笑むんだ。
芦多は呆れてため息をついた。
「頑張ろうね、芦多。
負けるなよ、芦多。」
「なんなんだ…。」
二人はそれぞれ部屋に引っ込んだ。
後々、配属を班員に伝えるのを忘れ、政隆にこっ酷く叱られた二人だった。
「魔物で軍隊を…。」
「黙れ。」
芦多は言葉を遮った。
芦多の低い声に、爪鷹が竦む。
「変なことを言うな。
それじゃ、海澱と同じだ。」
「…そうだな、悪かった。」
灯世はそういった手は使わないと言った。
彼女達一族には守ってきた信念があるはずだ。
卑怯な手を使ってくれと頼むことほど、失礼なことはない。
悪かった、と爪鷹は気まずそうに謝って、歩き出す。
芦多も並んだ。
「俺が灯世を守るよ、芦多の代わりに。」
「……ありがとう。」
「何のなんの。
芦多クンがいろんな姫を見てきた中で見つけた、唯一愛した女性だもんね?」
からかうな、と睨む。
爪鷹は優しく笑った。
そうしてそこで微笑むんだ。
芦多は呆れてため息をついた。
「頑張ろうね、芦多。
負けるなよ、芦多。」
「なんなんだ…。」
二人はそれぞれ部屋に引っ込んだ。
後々、配属を班員に伝えるのを忘れ、政隆にこっ酷く叱られた二人だった。