【実話】万引アダルトビデオ
仕事が終わって
家に帰った後もずっと、
何とも形容しがたい気持ちだった。
 
 
ただはっきりしていたのは、
前向きや明るいモノとは
真逆だったいうこと。
 
 
虚無、失望、悲観、罪悪など、
そういう後ろ向きな感情が、
絶妙にブレンドされ、発酵し、

強烈な臭いを発して、
 
鼻だけでなく、目まで塞ぎたくなるような、
とても嫌な感覚だった。
 
 
 
 
男が帰った後から私の頭の中では
 
 
『世の中の正しいとされている事は、
 一体何を基準にしての正しさなのだろう』
 
 
という疑問がずっと廻っていたが、
どうしてもコレだと言い切れる答えが
見つからなかったので、
 
その日は、
バンドのボーカル故に控えていた酒を
グイッとやって眠った。
 
 


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