あなたの隣



「?なにぼーっとつっ立ってんだ。とけんぞ」



突然の声にはっとして、座ろうと歩き出すと


とても ある 重要なことに気付いた。



ぎゅっとにぎりしめたままの拓真の手。

振り返ると無表情で、しかし不服そうな拓真の顔があった。






「ごめん…拓真」

ぱっと手を離し

へへへへへっと頭に手をやって笑うと


はぁっ


とため息をつかれてしまった。
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